前回のモスキート音対策に続き、今回はそもそもコイル鳴きってなんで起きるんだ、という観点で色々調べモノしてみました。
そもそもこのシリーズ?は、「スマホの充電器からモスキート音がする」っていう悩みから端を発したもの。調べているうちにどうも電子工作とか自作界隈でよくあるお悩みだとのことで、今回記事としてまとめることになったわけです。
地味にコイル鳴き対策の流入もあったりして、専門家の辛いご意見とかいただいちゃったりしています。なので内容やリサーチについては、初心者向けであることをあらかじめおことわりしときます。時々調べては加筆修正を加えて、手軽で役立つ内容にすくすく育て上げていこうかと思っておりますので、どうぞよしなに。
「コイル鳴き」ってなんだ
コイル鳴きとは、電子回路に入っているコイルや変圧器が細かい振動を起こして、キーンとかピーっていう音をならす現象のこと。
パソコン自作したり、グラボのせたりする界隈ではよくある騒音問題みたいですが、PCはもとよりPS4proのACアダプターなんかでも発生しているとのこと。こうした機器のコイル鳴きは新品でも発生するため、製品によっては「アタリ・ハズレがある」とも言われています。
一部のパソコン界隈では、取り付けがゆるくなったハードディスクやグラボがものすごい高音を発するのも「コイル鳴き」として呼ばれたりするみたいです。モーターとかを使っているということで、広義のコイル鳴きということはできるのかもしれませんね。
電子工作界隈で語られるコイル鳴きは、結構半端ない音量のビープ音を指すようです。僕がこの件について調べようと思ったきっかけは、もう少し高周波っぽい、いわゆる”モスキート音”がきっかけ。この場合、結構気にならない人も多いかもしれないね。
コイル鳴きの原因
コイル鳴きは、コンデンサとその設置している基盤が音源になっています。特に電子機器によく利用される、セラミックコンデンサで目立つんだそう(写真の左下、丸い10のマークがセラコン)。
セラコンは電気を通すと縦横に伸縮する、「電歪現象(でんわいげんしょう)」を起こします。別名「電気ひずみ」。任天堂よりたぶん先に生まれた言葉だ。電歪で起こる基盤のひずみは、わずか1ナノミリ以下の微細な変化。ただ、コンデンサを基盤にベタ付けしていたりすると特にこれが顕著になるらしいです。
そう考えると、精度の高いマシンメイドや熟練の半田付け職人が手がけてる製品なら”アタリ”に、そうでない製品は”ハズレ”になるのかもしれないですね。
コンデンサによるコイル鳴き特性があるかも?
「電解コンデンサ」でもコイル鳴きは発生するのかも。最近買ったAnkerのモバイルブースターでも、ちょい低めのモスキート音が聞こえます。ここら辺はもう少しリサーチが入りそうですね。
スイッチング電源が助長してるかも?
あとここら辺にはスイッチング電源も影響しているらしい。
小型・軽量化にうってつけのスイッチング電源だけど、短周期的にON-OFFを繰り返すことでコイル鳴きを助長しているみたい。じゃあトランスはそこまでデカくないのか?って、こちらは体感したことがないので不明点が多い感じです。ここも今度調べますね。
コイル鳴き対策を考える
電子回路自作、製品への加工など、いろんな場面での対策をいくつかまとめてみます。
試すのは、自己責任で。
▶︎ホットボンドでコンデンサを固定する
電子工作・パソコン自作界隈で一番手軽に試せるのが、コイル鳴きが発生しているコンデンサをホットボンドで固めてしまうという方法。
電歪現象は非常に微細な振動なので、ホットボンドでコンデンサと周りの基盤を固めてしまえば、その振動はかなり低減されます。基本的には動作に影響もないので、マシンを回復できる度胸がある方や自作をしている方ならパッと試せるのでオススメですね。
ちなみに一度ホットボンドで固定してしまったら後には引けないので注意。覚悟を持ってコイル鳴きに挑め。
▶︎コンデンサを載せ替える
自分で半田ができる、自作マシンの調子が悪いという方なら、コンデンサの種類に目を向けてみてもよき。
セラコンの場合、ベタ付けのチップ型コンデンサではなく針金の足がついている「リード付き」に置き換えることで、鳴きを低減させやすくなります。この時もコンデンサ本体と基盤の間に少し遊びをもたせておくと良いでしょう。
基盤に設置していなければどうということはないので、金属の足つきチップコンデンサなんてものも流通しているみたい。(その足は鳴らないのかとか思うけど、電歪の影響は受けづらいとかなのかな。)
どちらもきっと、秋月電気さんなら売ってる。
▶︎フェライトコアを装着する
マシン本体から鳴きが出ている場合は、電源コードへのフェライトコア設置が効果的。フェライトコアっていうのは、パソコンの電源コードの途中についてる、ちょい邪魔なアレです。実はこいつ、アースを必要としない簡易的なノイズ電流除去に一役買ってくれる、ありがたい人なんです。
通常、きちんとノイズ対策を考慮された電源・電子機器なら、回路内に(基板用の)フェライトコアを設置して鳴きを抑える工夫が施されています。安いものや粗悪なものではこれが取り付けられてなかったりして鳴きが発生、”ハズレ”を産んでます。
▼USB充電器周りに関しては、こちらでも紹介しています。
あとがき
ちょっと駆け足で紹介してきましたが、コイル鳴き自体はかなり普遍的な現象らしく、セラコン×スイッチング電源で完全に除去するのは難しいらしい。中にはPC捜査中はヘッドホンしちゃう人とか、電源自体を遠くに追いやってしまうとか、工夫次第なところもあるようです(昔の僕がそう)。
いろんな方法試してみて、他にいい方法があったらぜひ教えてくださいませね。
普段は映画のブログを作っています。こちらもぜひよろしくね。
はらだなう
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