あなたは聴こえる?「モスキート音」と耳年齢の話【mp3テスト付き】

スマホ、携帯

 

街を歩いているとき、タクシーがブレーキ踏んだ時とか駅の裏通りとかにある出入り口付近を通るとき、すごいイヤな思いしませんか。

モスキート音は若い人ほど聴こえやすいので、若者除けとかにも使われているみたいですが、そうなるときになってくるのが「耳年齢」のお話。テレビとかでやってるとついつい気になっちゃうし、結果もけっこう真に受けちゃいますよね。

今回はモスキート音テストも交えながら、人間の可聴音域についてフォーカスしていきます。

 

「モスキート音」とは…


「モスキート音」とは、キーーンとかピーーって聞こえる、非常に高い帯域の音のこと。

イメージとしては耳鳴りに近い音で、プーンっていう蚊の羽音から名付けられました。

具体的に言うと、人間が一般的に聞き取れる音域を外れた、17,000Hz以上の高周波音を指しています。

一般に人間の耳で聞き取れる音というのは、低いところだと20Hz帯、高いところでは20,000Hzまでとされています。高すぎる音はもとより、超低周波の音も聞き取れない作りになっているんですね。

 

モスキート音と年齢:人間の「可聴音域」のお話


人間の耳は、だいたい20Hzから20000Hz (20kHz)までの音しか聞き取れないつくりになっています。

聴力は加齢とともに衰えていってしまいますが、モスキート音と呼ばれる高音域の音については、20-30代から聞き取れなくなってしまうのです。

 

イヤホンを購入するときに箱の裏を見てみると、40Hz~16000Hzなど、そのイヤホン(スピーカー)が鳴らせる帯域が書いてあります。これを見てわかる通り、音楽を普通に聴く分には全帯域をカバーしなくても支障はありません。

 

実際、多くの人は15000Hzから17000Hzくらいまでの高さまでしか聞き取れないことが多いのです。だから一般ユーザー向けのイヤホンでは帯域を少し押さえたりして、その分値段や他の機能に力を注いだりしているのでしょう。

 

▼モスキート音が聞こえなくなる原因

モスキート音が聞こえなくなるのは、人間の加齢(老化)が関係しています。

これは年をとるにつれて、耳の中の音をキャッチする細胞「有毛細胞」が消耗してしまうため。

 

耳の中にあるカタツムリ(蝸牛器官)には、入り口付近に高音を拾う有毛細胞が、奥の方に低音を拾うものがあります。入り口の方がより多くの刺激を受けてしまうため、2,30年を経るうちに高音の有毛細胞が減っていってしまうのです。(周波数が高いため多く振動するということもあるかも?)

 

高い音が聞こえづらくなるというのは、加齢による聞こえの悪さ「老年性難聴」の特徴でもあります。モスキート音が聞こえなくなっちゃうのは、年をとる上である程度は避けられない老化現象のひとつといえるでしょう。

 

日常の中のモスキート音利用


▶︎コンビニやビルの「若者除け」に効果あり

モスキート音利用で有名なのが、コンビニやビルの入り口に発されている”若者除け”の高周波音。

これはモスキート音の「若い年齢に聞こえやすい」という特性を生かしたもので、若者が店の前や入り口付近にタムロするのを防ぐ狙いがあるんだそうです。

夜間、公園にモスキート音を一定周期で流したり、繁華街で人が滞留するのを防いだりといった用途で使われています。

 

ちなみに僕は、渋谷のTSUTAYA裏の井の頭通りに流れてるモスキート音は完全な害悪だと思っている。若者の街でなぜ昼間から若者除けするのか。そりゃ西武さんの気持ちもわかるけどさ。不可避。

 

▶︎スマホの着信音

若者にしか聞こえないモスキート音利用。もちろん若者も負けてはいません。

中高生にとってのモスキート音は、着信音としてとっても便利。スマホや携帯電話の着信音にモスキート音を使うことで、授業中でもバレることなく着信できるというわけです。

この手の知識は、学生時代に知りたかったなぁ。

 

▶︎犬や猫・害獣除け

そもそも自然界では、モスキート音と呼ばれるほどの高音域を聞き取れる動物が多いみたいです。

代表的なものとしては犬が挙げられ、その可聴音域は40~65,000Hzほどと言われています。犬笛は16,000~22,000Hzの高音域を出すので、人間が聞こえている範囲っていうのは半分程度なんでしょうね。

また、モスキート音を利用したネズミ除けの機器も販売されています。これは犬猫除けとしても効果がありそう。

 

▶︎蚊除けにもなる…説?

冒頭で「蚊の羽音になぞらえた名前」ということをお話しましたが、当のモスキート達はモスキート音が大嫌いみたいで、なんでも17000Hzの音を流すと蚊が寄ってこないらしいです。わざわざ17000Hzぴったりのモスキート音を発するスマホ充電器も発売されています。

そう考えると、駅前のモスキート爆音には虫よけの意味もあるかもしれないですね。

 

可聴音域外の音「ハイレゾ音源」


最近では可聴音域を越える音声までカバーした音声データ「ハイレゾ音源」が登場しています。

mp3など、これまでの音声データより高密度のサンプリングデータを扱うことによって、「高解像度で滑らかな音が楽しめる」というのが売り文句。その他に96,000Hzの超高音域を補完できるという話らしいのですが、たぶん聴こえないしいらないんじゃないかな?って思っています。

 

以前、レコードは可聴音域外の音を含んでるため、音がふくよかに聴こえるのかも、という旨を書きました。

そのため可聴音域を超える音(高いのも低いのも)は認識できなくても、聴き心地や音質なんかに大きな影響を与えているのかもしれませんね。

 

けど96000Hzって。可聴音域の5倍くらい上を行くレベルじゃないですか(実際は単純に5オクターブ上という話じゃないと思いますが)。 もはやポータブルメディアとしてはちょっとやりすぎだし、出先で楽しむレベルではないのではないのかも。

ただ、こういうピーキーなことを進めておいてくれると、将来的に普通レベルの音質が向上してくれるのではないかと思うので、技術開発としては大切なことではあるんでしょうね。

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モスキート音サンプルで耳年齢をチェック!


さてそれでは耳年齢をチェックできるコーナーです。

気をつけてほしいこととして、音量は少し低めから始めてみてくださいね。

音量を上げると比較的聞き取りやすくなりますが、聞こえづらいからといって音を上げ過ぎると、聴覚機能に悪影響を及ぼす可能性があります。あまり音量を上げすぎないように注意してください!

▶︎14,000Hz帯 耳年齢だいたい40歳くらい

 

▶︎15,000Hz帯 耳年齢だいたい30歳くらい

▶︎16,000Hz帯 耳年齢だいたい20歳くらい

 

▶︎17,000Hz帯 耳年齢だいたい10歳くらい

 

▶︎18,000Hz帯 この辺りから聴こえない人多いのでは?

 

▶︎19,000Hz帯 相当耳が良いレベルの帯域

 

▶︎20,000Hz帯 一般的な可聴音域の限界

 

▶︎21,000Hz帯 普通は聴こえない帯域。「異常聴力」という特異体質かも?

 

歳とともに聴力は衰えていってしまいますが、高音域帯は特に変化が顕著に見られます。もっとも年齢に応じて聴こえる帯域が下がっていくのが普通ですし、生活習慣によって個人差も大きいものなので、高域帯が聴こえなくてもあまり落ち込む必要は無いでしょう。ただ、14,000Hzくらいでも聴こえなかった方は、一度耳鼻科の先生に相談してみてもいいかもしれませんね。

 

高音が聴こえないときはスマホスピーカーのせいかも?


モスキート音があんまり聞こえない場合、スマホやPCスピーカーの性能にも原因があるかもしれません。

たとえばiPhone7のスピーカー。この製品に用いられているスピーカーは、他のシリーズとは異なる帯域特性を持っていることが知られています。

 

iPhone7から全音域をカバーするホワイトノイズを流して、音を波形として表示できるスペクトラム解析にかけてみると、50Hz前後の低音域と10,000Hz前後の中高音域、そして17,000Hz前後の高音域帯が強く鳴る特性を持っていることがわかります。

つまり一部の帯域が強く発音され、反対にその他は弱く発音される特性があるのです。これによって音の輪郭がハッキリと聴こえ、中高音域がよく抜けるようになるため、同じ音量でもよく通るようになっているんですね。

(エレキギターでいうドンシャリとか、ミッドブースト系の要素を持った帯域特性。iPhone7で聴くギターソロはかっこいいのかな?)

 

自然状態の音や一般的なスピーカーは、全帯域が満遍なく鳴っているフラットな波形になります。これだと音量や音圧(ワッと圧倒される感じ、インパクト)は稼げているんですが、「音が通る」「聴こえやすい」音とはまた別なんですね。

iPhoneは音が通りやすい特性にする代わりに、他の帯域がちょっと弱めに発音されます。だから一部の端末では、モスキート音はカットされてよく聴こえないという可能性が考えられるわけですね。

 

あとがき


結構長いこと音楽を愛して生きてきたので、そのうちハイレゾも試してみたいし、ノイズキャンセリングだって使ってみたいな。音響のこととか聴くこと自体も、もっと見識を深めていきたい。できるだけ楽しく、できるだけ長く音楽を聴いていられたらいいですね。

 

過去記事では日常生活で感じる、USB充電器から発せられるモスキート音についてまとめています。

 

こっちも読んでみてね。

それでは、耳は大切に。音楽は楽しんで。

 

はらだなう

普段は映画のブログを作っています。こちらもぜひよろしくね。

 

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はらだなう

Webメディア作る人. 編集と書き物、マーケティング. 映画のブログ『週末は映画とおいしいもの。(https://nowinthemovie.com/)』を運営中. 最初はながら見して、好きな作品は何度も見るタイプ. シンゴジラ10周目.

コメント

  1. tasamu より:

    16,000Hz、17,000Hzは聴こえませんが18,000Hzは聴こえますよ
    音域を飛ばして可聴ってことあるのでしょうか?

    • はらだなう より:

      可能性としては、記事中で触れている端末スピーカーの問題が一番あり得るかもしれません。その帯域があまり鳴りづらい、というもの。
      あるいは倍音が少ない(聞き取りづらい)という可能性もあるかもしれません。

      とても興味がある疑問なので、引き続きりサーチさせていただきますね!

  2. Blu より:

    こんばんは。
    カンに障る些細な音について疑問を持ち
    『聴こえる音域』と検索し、こちらのページに来ました。

    記事を読み、各Hz毎の音を聴きました。

    結果は、14〜18,000Hzは聴取可能。
    19、20,000Hzは聴取不可。

    ですが、最後の21,000Hzは聴こえました。

    ちなみに当方は年齢は40代後半、男です。使用端末はiPhone5sです。

    • はらだなう より:

      こんばんは、コメントありがとうございました!
      実は僕も時折起こる現象で、不思議に思って調べているところです。

      ひとつは端末スピーカーの特性(どこが出やすい、どこが落ちやすいか)か、
      もうひとつは特定の倍音が聞こえているか(高い音の裾野=低い帯域の部分が聞こえる)、などと原因を考えています。
      それか鼓膜自体に拾いやすい・拾いにくい帯域があるのかも、なんてか説も。。

      かなりの専門領域になりますが、とても気になるテーマですね。

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