【音楽ジャンルがわからねえ】①ブルース/カントリー/ロックンロール編

音楽ジャンル

はらだなうでございま~す。

 

このバンドは何系の音楽だとか、このグループは何ミュージックだとか、音楽のジャンル区分についてわからなくなることってあるよね。Yeah.

 

こと最近のロックミュージックに関しては、ひとつのアーティストが様々なジャンルにまたがって活動していた李、その枠組み自体がよく分からなくなっていたりします。

人類の音楽史で言えばたかだか100年程度の時を経たに過ぎないロックミュージックですが、その源流を辿るとかなり面白い文化の潮流が広がっているんです。

そしたらあまりにも長くなってしまったので、

今回はロックミュージックの源流となった音楽ジャンルについてお話しますね。

 

ジャズから派生した新たな黒人音楽「ブルース」

そして白人コミュニティで愛されていた「カントリーとフォーク」

それらが出会って誕生した音楽ジャンル「ロックンロール」について見てきましょう。

 

ジャズマンが世に送り出した黒人音楽「ブルース」


まずはロバート・ジョンソンのCrossroadから聴いてみましょう。

アフリカ系アメリカ人の彼の楽曲は、その圧倒的な演奏技術で注目を集めました。

 

さて、ブルースミュージックが生まれたのは、1900年代のこと。

第一次世界大戦が終わってポショポショに低迷したヨーロッパ市場に変わって、アメリカが新たなマーケットとして注目されていました。1920年代の大繁栄を前に鉄鋼業や貿易などが盛んに行われ、人々は楽しくせわしなく働いた、ウキウキの時代です。

 

それまであまり良い暮らしを送れていなかった黒人の中にも、白人富裕層向けのジャズミュージシャンとして活躍する者が現れました。その中の一人、コルネットプレイヤーW.C.ハンディは、典型的なジャズマンでありながら後に「ブルースの父」と呼ばれることになります。

ある日ハンディは、街でギターの弦にナイフの切っ先を突き立てて演奏する、今でいうスライドギター奏者の男を見て衝撃を受けたと言います。

(もしかしたら路上ミュージシャンだったり、黒人低所得者の文化だったかもしれません。)いずれにせよバッキバキの音楽理論を搭載したジャズマンにとって、この演奏法は破壊的なものでした。

この影響を受けて1912年に発表されたのが、彼の代表曲の一つ「メンフィス・ブルース」

彼の分析によると、当時のブラックミュージックはEとBのピッチが四半音ほど低く取られた独特の音階(ブルーノートスケール)を持っていたそうです。

また、同じ黒人音楽であるジャズとブルースの違いは、管楽を中心に広まったのがジャズ、歌やギターを基本要素とするのがブルースといった点に見られます。もちろん例外も。

ミュージシャンとして実力と人気を持ち、経済的にも安定した人々が、既成の音楽を打ち壊す音楽を取り入れることでブルースが世に広まっていきました。

 

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白人労働者を支えた音楽文化「カントリー/フォーク」


ハイソサエティで愛されていたジャズ文化と、ローカル音楽のブルースが出会った20世紀初頭。一方、1920年代の白人コミュニティでは、カントリーやフォークソングが大勢を占めていました。

ここからは打って変わって、THE BYRDSのYou Ain’t Goin’ Nowhereを聴きながら。

アメリカ内陸部の“田舎”で広く親しまれていた音楽ジャンルで、アコギやバンジョー、マンドリン、バイオリンなどの弦楽器を中心に用います。平日は普通に働き、休日になったら余暇を楽しむ、白人労働者層に人気のジャンルでした。

かなりマニア向けでオジサンなイメージを想起しがちですけど、アメリカ音楽文化をカントリー抜きに語ることはできません。現代でもテイラー・スウィフトのTeardrops On My Guitarなどが人気です。

 

「カントリー=白人文化」というコンテクストはよく取り沙汰される話らしいのですが、実際はそんなに明確に区別されていた訳ではなかったみたいです。(どこにでも一定数いる極端なレイシストは除く。) 視聴者コミュニティのほとんどを白人が占めていただけに、事実上の白人文化として育ってきたというわけですね。

 

最後にカントリーのリサーチをしてて一番ビビッときた楽曲をひとつ。

ボブ・ウィルズ&テキサスプレイボーイズのIda redです。こちらはバイオリンリードのウエスタン風ですね。グルーヴィーなピアノがたまりません。

Ida redは50年代にリリースされた作品。“白人音楽なのに”というわけではありませんが、この曲のコミカルなスイングは、次の時代のロックンロールに見られるような文化融合のたまものと言えるかもしれません。

カントリーは全米で広く愛されており、後にご紹介する50~60年代でも人気が衰えることはありませんでした。

 

人種の壁をまたいで愛されたジャンル「ロックンロール」


1950年代に一世を風靡した新たな音楽ジャンルと言えば「ロックンロール」。

黒人ロックンローラーとして時代をけん引したチャック・ベリーのJohnny B. Goode

チョーキングをしながらの変な足づかい。カッコいいよね。ロックンロールのバンド構成は、エレキギター、ベース、ドラムを基軸としており、この時代に現代ロックの原型が形作られたと言えます。

 

そしてロックンロールの先駆者と謳われたビル・ヘイリーの名曲Rock around the clock。

シャッフルビートやスケールなど、音楽的にはブルースやR&Bの影響を多分に受けていますよね。

「ロックンロール」という言葉は、当時の大人気ラジオパーソナリティであったアラン・フリードがつけた造語だそうです。人種差別全盛期の50年代、彼は白人でありながら自身のラジオ番組において、黒人音楽を好んで流しました。

それまで白人に忌避されてきた黒人音楽に、ロックンロールという名前を付けたアラン・フリード。ネーミングで文化を作る、コピーライターの才能もありそうね。

 

さらにロックンロールにおいて語らずにはいられないのが、エルヴィス・プレスリーの存在。

彼の作品では「監獄ロック」が有名ですよね。

個人的にはドラムが付点8分でグルーブしてるのに対して、ギターが律儀にデデデデデデデデとこなしているのが奇妙で面白いです。あといきなり「うんにゃあ」とか言いだす和訳者、わけわかんないけど嫌いじゃないぜ。

 

ロックンロールを知りもしない人間からすると、ビルヘイリーよりもエルヴィスの方がロックアイコンとして有名なんじゃないかと思います。加山雄三似の甘いマスクに、腰をクネクネひねらせるダンス。きっと女の子がキャーキャーいうようなセックスシンボルだったに違いない。

いずれにせよエルヴィスやビルヘイリーは、「それまでブラックミュージックとして扱われていたブルースやロックンロールを、白人ロックンローラーとして世に広めた」という評価を受けることが多いみたいです。

 

なお、ロックンロールは同時代の「ロカビリー」と非常に密接な関係にあり、しばしば同じものをさして呼ばれることがあるようです。実際、エルヴィスも「キングオブRnR」とか「キングオブロカビリー」とか言われています。これらを厳密に分けると、よりカントリー的な音楽をロカビリー、R&B的な物をロックンロールと定義します。何を言ってるかサッパリだぜ。あとでR&Bとかについてもまとめようかな。

 

 

以上、自分なりにリンケージが取れるようにまとめました。

いかんせんこれまで微塵も知らなかった分野の話なので、情報に齟齬があるかもしれません。内容に誤りがあったり、「いやいやここはこうなんだよ」っていう意見があればコメントください。

それでは次回、僕なりの本編であるロックミュージック編でまたお会いしましょう。

 

ロックンロール!

はらだなう

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はらだなう

Webメディア作る人. 編集と書き物、マーケティング. 映画のブログ『週末は映画とおいしいもの。(https://nowinthemovie.com/)』を運営中. 最初はながら見して、好きな作品は何度も見るタイプ. シンゴジラ10周目.

コメント

  1. 座席天狗 より:

    ブルースがジャズから派生したというのは順序が逆だと思います。
    アフロアメリカンのルーツミュージックとしてのブルースの歴史は古く、むしろジャズの源流の1つです。
    ジャズの歴史をお調べになればお分かりになると思います。
    ただ、商業音楽としてのジャズの確立以降、先祖であるブルースの味を強めた商品を売り出した一連の人たちがいた、ということなのではないかと思います。

    • はらだなう より:

      コメントありがとうございました!
      なるほど、ブルースの源流にアフロがあったというのはリサーチ不足でした。追って加筆してみようと思います!

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