【音楽ジャンルがわからねえ】②ロックンロールからUKロックへ

音楽ジャンル

 

音楽雑誌とかバンドの独占インタビューとかで「影響を受けたバンドは何ですか?」なんて質問が多いですが、音楽文化は受け継がれていくもの、という側面があるんでしょうね。

 

ロックミュージックのジャンル分けがよくわからないし、ロックの歴史とか古い時代の音楽についてよく知らないがために始まったこの企画。 [音楽 ジャンル]で検索して出てくるジャンル別の能書きではよくわからなかったので始めたこの企画。

 

ロックミュージックという音楽ジャンルの定義と成り立ち、そこから生まれた数々の派生ジャンルについて、歴史的な流れにそって僕なりの解説を加えています。

前回の記事では、20世紀のアメリカでブルースが誕生し、カントリーと出会ってロックンロールが生まれるまでを駆け足で見ていきました。

 

今回はそんなロックンロールが大人の事情によって急速にスピードを失い、

そんなことしている間に海の向こうから「ロック」が来航するまでの話をちょろっと紹介します。

 

 

「ロックミュージック」とは何か


ロックミュージックとは、1950年代のアメリカから端を発した音楽文化の一系譜。

ロック(ロックンロール)の語源については諸説あるようで、黒人スラングによるところの「セックス」だとか、大衆文化としての「バカ騒ぎ」だとか専門家の中でも意見が分かれるみたいです。

ロックが広く愛されるようになるまでには、黒人音楽から端を発した「ブルース」、田舎で暮らす白人労働者に愛されてきた「カントリー/フォーク」、それらが融合して生まれた音楽ジャンル「ロックンロール」といった音楽文化が育まれたという歴史があります。

あまりにも長くなってしまったのでこの3つは前回の別記事でご説明しています。

 

まずはロックンロールとロックが生まれるに至った経緯についてご説明。

ざっくりいうと、アメリカのロックンローラー達が次々ダメになっていって、その音楽を聴いて育ったロックスターが、なんか知らないけどイギリスでめっちゃ生まれました。

結果的に彼らは世界中でツアーを興行。世はまさにロックミュージック大航海時代というわけですね。

 

ロックンロールの衰退


1950年代のアメリカを席巻したロックンロール・ブーム。

ところが時代が進むにつれ、ロックンローラー達は次々に音楽市場を後にしていきます。

甘いマスクと不良風の演出で大ヒットを飛ばしましたエルヴィス・プレスリーは、1958年徴兵通知状を受け取ります。彼は既にロックアイコンとして大成していましたが、兵役免除や延期は認められず、以後2年の間、西ドイツにある米軍基地の一兵卒として過ごすこととなりました。

また軍役を迎えるまでに4本、満期退役後を迎えた60年以降は28本もの映画に出演しています。その映画配給会社との契約でツアーなどを行うことは出来なかったようです。

一方チャックベリーは、興行旅行中に出会った14歳の少女を州の境界を越えて連れまわし、売春を迫ったとして逮捕。マン法違反の罪で5年と3000万ドルの罰金を科されました(のちに3年に減刑)。

ロックンロールを世に広めたラジオDJ アラン・フリードに至っては、それまで業界で普通に行われていた「お金を払ってオンエア」という宣伝方法が突然違法となり、そのあおりを受けて真っ先に爪はじきにされていきました。かわいそすぎ。

また59年には、バディー・ホリーなど3人のロックンローラーが飛行機事故で相次いで命を落とします。

 

また黒人文化由来であるロックンロールが世にのさばっていることを許せない輩なども根強く、不買運動などが起こり、音楽業界が相当な影響を受けていたこともロックンロール衰退の理由になっているようです。(もちろん視聴者やファンがいる文化である以上、絶滅とかはしません。)

 

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ロックミュージックの誕生


アメリカでロックンローㇽの巨星が相次いで落ちていく中、海の向こうのイギリスでは新たな音楽のムーブメントが生まれました。

ロックンロールのみならず、R&Bやソウル、スキャットを駆使したアカペラ「ドゥーワップ」など、様々な既成音楽を吸収した世代が、イギリス発のロックグループとして次々に誕生。後に「ブリティッシュ・インベイジョン(イギリスの侵略)」と呼ばれる時代が訪れます。

 

イギリスの音楽ムーブメントの話なのに冒頭から「アメリカで」という説明をしているのは、当時からアメリカが大きな国力を誇っていたから。

1960年代当時、アメリカは約20億ドルのGDPを誇る経済大国でした。

他の先進国GDPを見てみると、敗戦後急速に力を取り戻した日本が約3億ドル、相変わらずの東側強国としてでんと構えていた約ロシアが8億ドルという事を考えると、もはやチートと言わざるを得ません。「国際貨幣の基準になっているのは国力が安定しているから」という卵が先的な理由もあるでしょうが、やっぱアメリカムキムキだね。

GDP約4億ドルの島国イギリスが、文化的なヒットを飛ばしたというだけでも大きな出来事です。(それ以前の18世紀から列強としてブイブイ言わせてた国なので、ただのザコというわけではありませんよ。)

 

イギリス、特にリバプールを中心として活動していたロックバンドは、瞬く間にアメリカ音楽市場を席巻します。特に1964年、アメリカのヒットチャート『キャッシュボックス』の上位100位の中に、ビートルズの曲が14曲も含まれていたのは大きな事件です。さらに53週連続トップという前人未到の偉業を達成しました。

ビートルズ、ローリングストーンズ、ザ・フー、キンクスは「ビッグフォー」と呼ばれ、60年代初頭を代表するロックバンドとして今でもファンが絶えません。これ以降数々の名バンドが生まれ、それに代わるカウンターカルチャーが興隆を繰り返す、ロック黄金期が始まります。

 

あとがき


また書きまくっていたらすごい時数になってしまった。。。

ビッグフォーについて細かい記事に分けて解説していこうかな。60年~70年代のロック黄金期に関しては、数線文字で語り尽くせるとは思えません。各バンド単体での紹介はやりすぎだとしても、ビッグフォーを紹介して、そこから派生していったロックのジャンルをこまごま紹介していこうかな。

 

ただマリリンマンソンおじさんが1998年にRock is deadって言ってる通り、70年代以降もロック史に残るビッグネームがバンバン登場します。

 

僕と一緒に、お楽しみに。

 

はらだなう

 

 

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はらだなう

Webメディア作る人. 編集と書き物、マーケティング. 映画のブログ『週末は映画とおいしいもの。(https://nowinthemovie.com/)』を運営中. 最初はながら見して、好きな作品は何度も見るタイプ. シンゴジラ10周目.

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